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2008年12月

おやじバンド、ご本人降臨!

12/14の記事「頑張れおやじバンド」に、リーダーの小林延行さんご本人からコメントいただきました!
どうぞご覧ください。
こういうのってちょっとうれしいですね。小林さんありがとうございます(^o~)/

http://cliniclotus.cocolog-nifty.com/blog/2008/12/post-c36b.html

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歌うべし!アンジェラ・アキ「手紙」

目下、大好きな曲。
アンジェラ・アキの「手紙~拝啓 十五の君へ~」
聞いて泣き、1人カラオケで歌って泣き、NHKスポットCMを見てまた涙、といううざい人になってます(^^;)

アンジェラ・アキはすごい、と思うことがあるのですが、この曲はその中でも出色ではないでしょうか。

この曲を知ったのは、NHKの全国学校音楽コンクールの中学校の部で、この曲が課題曲になり、それを練習する全国の中学校の合唱部を回ったドキュメンタリーを見てからです。アンジェラ本人も出てました。
地方大会に2人だけで出場した中学校もあり、とても心を動かされる番組でした。
アンジェラが歌うのを聞いて、女子中学生たちが泣くんですよね。女子の人生の中でも中学はもっとも泣いておかしくない時期なのですが、それにしても泣いてるなあ、と思っていたら自分も今泣いている始末(^^;)

最初は「いい曲だなー」としか思わなかったのですが、何回も聴くうちに、「思春期の心性を理解するには、この歌1つ歌うだけで必要十分じゃないかっ?」と思えてきました。

解説するのも野暮なんですけど、この歌は15歳の「僕」が未来の「僕」に向けて手紙を書き、それに現在の「僕」が答えるというかたちになってます。

15歳の僕から叫ばれる言葉。

「今 負けそうで 泣きそうで 消えてしまいそうな僕は
誰の言葉を信じ歩けばいいの?
ひとつしかないこの胸が何度もばらばらに割れて
苦しい中で今を生きている
今を生きている」

現在の「僕」からの答えは、

「拝啓 ありがとう 十五のあなたに伝えたい事があるのです

自分とは何でどこへ向かうべきか 問い続ければ見えてくる」

こう言える大人が、周りにひとりでもいれば思春期の子どもは救われるはずです。
すぐにでなくても、あとで必ずそのことが子どもの胸のうちで生きてきます。

これ以上書くと逆に台無しなので、ぜひ聞いてみてください。
思春期のお子さんがいる親御さんは、ぜひ歌ってみてください。できれば覚えて暗唱してください(^^)
思春期がいかに大変で混沌とした時期か、もう一度思い出せると思います。そして人生の先輩として、その子にかける言葉をもっているか、考えてみてほしいのです。

(歌詞はこちらから→
手紙 ~拝啓 十五の君へ~ アンジェラ・アキ 歌詞情報 - goo 音楽

↓PVです

↓NHK音楽コンクールのコーラスバージョンです。

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病むことはエネルギー

今日診療中にふと、「私は患者さんたちがうらやましい。彼らは病の中に愛を担っている」というメッセージが来ました。
そのときに私はなぜか、自分は患者さんたちを羨ましいと思っているのだと感じました。

野口整体の創始者、野口晴哉先生の言葉に「病むことは力である」というものがありますが、病気というのはある意味確かに力でもあります。
何かの刺激に対して、必ず生体は反応しています。通常は、細菌感染に対して熱が出たりするように、治る方向に働きます。しかし、アレルギーのように、間違ったものに過剰に反応してしまったりすることもあります。しかし間違っているといえども、やはりこれは、「力」の結果なのです。

うつも、よく「エネルギーを使い果たしてしまった状態」と表現されますが、実はそうではなくて、「エネルギーが滞ってしまっている状態」です。うつは「鬱滞」の「鬱」です。落ち込むこともまたエネルギーなので、つまってしまっているだけなのです。
もしエネルギーが本当になくなってしまっているときは、何の感情も、不調さえも感じずにただ寝ているだけになるでしょう。お年寄りで時々こういう状態の方もみられます。

このつまっているエネルギー、間違ったところで発揮されてしまっているエネルギーを、本来の健康なかたちにもどすことが治療であるといえるでしょう。本来、病むことに使っている力は別のかたちで使えるものなのです。お金みたいなものといっていいでしょうか。

私が一番好きなシュタイナーの言葉に、「物質は濃縮された光、魂は薄められた愛である」という言葉があります。
ここで言う「魂」は「感情や思考などの精神活動」という意味なのですが、どのような魂の活動も、怒りや憎しみなどのネガティヴな感情さえも、本来は愛であり、それが歪んだかたちになってしまっているだけだということです。
そう思うと、怒りをかかえた人に出会っても、あるいは自分自身の怒りに対しても、ではこの感情をもとの愛に変えていくにはどうしたらよいのか、と考えることができます。

光となった物質を人間の闇となった部分にもたらし、愛をもって魂をあたためること、これが治療の原則であるとシュタイナーは言います。
普段の日常の中で忘れがちなので、ことあるごとに思い出したいと思います。

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頑張れおやじバンド

昨日(12/13)、たまたま朝NHKのおはよう日本を観ていたのですが、ちょっとイイ話があったのでご紹介します。タイトルは「おやじバンド 中小企業への応援歌」。

昨今の突然の経済危機でにわかに浮上した雇用の問題を見るとほんとうに暗澹たる気持ちになりますが、特に下請けを主にしている中小企業では受注が数割減、という厳しい状況のところが多いようです。経営者と従業員の方々のご心労を思うと心が痛みます。
しかし、中小企業の経営者が集まった「おやじロックバンド」が、その不況に負けじと、歌でも立ち上がったというお話。

バンドのリーダー兼ボーカルの小林さんの会社((株)セルコ)は、長野県小諸市でコイルを作っています。なんと髪の毛半分の細さのコイルをつくってしまう技術力を誇っているそうですが、この不況のあおりを受けてなかなか厳しいようです。
しかし、それにも負けず、いやこんな時だからこそ!とこの不況を歌で乗り切ろうと立ち上がり、ご自身のバンドで中小企業を激励する歌を作り、同じく中小企業を経営する仲間と出張ライブ活動をはじめました。

とここまで書いて小林さんの会社をウェブで発見。
(株)セルコ。しかもご自身のブログと歌詞全部つきでした!
ぜひご覧を↓
http://selco-coil.com/modules/weblog/index.php?cat_id=6

歌う曲は「中小零細 Q.C.D」!Quality, Cost, Delivery ですね(^^)

「中小零細 は 大変 
チェック チェック  品質いいのは当たり前
安く安く コスト優先
速く速く 納期は厳守 
だけど俺らにゃ 術(ワザ)がある 
誰にも負けない テクがある
匠の技だよ ミクロンオーダー」

気骨を感じますね~(歌詞の続きは上のサイトで!)

62歳の小林さんはとってもフツーな、作業服が板についた技術屋の中小企業の社長さん、という感じなのですが(はっきりいえばフツーにおじさん・・・すみませんm(_ _)m)
いざバンドでは、黒の皮パンとジャケット、黒の帽子でかっこよく豹変!
しかも声がナガブチです!!
バンド活動のために、筋トレ(ビリーズブートキャンプでしたhappy01)とボイストレーニング(通勤の車の中で発生練習)をかかさず行っているのだそう。

正直豹変ぶりにやられました!ほんとうにカッコよくて、かなりイケてます♪ぜひ映像でみてほしかった~
みなさん、なりきりって大事です!自分のやっていることへの自信と愛があれば、恥ずかしがらずにどーんといったほうがカッコいいですねlovely 年とかルックスとか、関係ないです。むしろギャップがかっこいいかも。私もドーンといってみようという気に・・・(何を・・・)

番組では、不況に悩む上田市の金型製作の中小企業社長、中沢さんが、「何とか従業員を元気づけられないか」と考え、このバンド(セルパップブラザーズだそうです)を招いて車内コンサートを行った様子が放映されていました。
会社の事務所(倉庫?)で行われたコンサート、従業員やその家族の方々でノリノリとなり、最後は輪っかになってフォークダンス状態に。中沢さんも最後はノリノリで、「この不況が乗り切れそうな気がしてきました!」と興奮した様子で語っていました。

NHKのアナが「実際に同じ立場で苦労されている方たちの歌だからこそ励まされるんでしょうね」と言っていましたが、ほんとうに同感です。

ちなみにCD、上のセルコのサイトのフォームからお願いすると送ってくれるそうです。頼もうかな~

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メルマガ発行します。

今月からまぐまぐでメールマガジンを発行することにしました。

「自由はここにある!心療内科医が教える心の変えかた50」

http://archive.mag2.com/0000278881/index.html

という大仰なタイトルです(^^;)ブログは自由ですが、なかなか更新ができなかったりするので、回数をつければ続くのではないかと思い。

診療を行う中で「こころのコツ」について日々気づくことがあるのですが、直接会う患者さんにしか伝えることができないので、まとめた形にしてもっと多くの人に発信してもよいかも?という気になりました。以前は「いやいやわたくしめなどが、そんな、おこがましい・・・」などと思っていたのですが、まあそれはともかくやってみようと思いました。

内容は、こころを楽にするちょっとした考え方のコツのようなものです。でもこれが案外、「こうあるべきだ」ととらわれてしまっているような場合には盲点だったりするので、こう思えばラクになりますよ、というような感じで。

コンセプトは「読むカウンセリング」です。巷のカウンセリングは(カウンセラーさんにもよりますが)「傾聴」が主なので「なかなか役立つアドバイスがもらえない・・」なんていう声も聞きます。そこをなんとかなるように、一応医者歴10年の私が今までの臨床経験から放つ渾身のアドバイスをみなさまに!!なんて力を入れると続かないので、普通に書きます(^^;)

よろしければご登録いただけたらうれしいです。創刊準備号はもうアップしてありますが、第1号は12/17に配信予定です。よろしくお願いいたします。

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書評-心もからだも「冷え」が万病のもと

去年出た東京女子医大附属青山自然医療研究所の川嶋朗先生の本。おすすめです。

目次 

第1章 働き盛りの男たちをむしばむ“冷え”
第2章 日本中が冷えている
第3章 セルフチェック―あなたはどのくらい冷えている?
第4章 “冷え”はこうしてがんや病気になる
第5章 心も冷える!
第6章 キレる子どもは冷えている
第7章 “冷え”が男をおびやかす
第8章 冷える生き方していませんか?
第9章 さあ、温めて“冷え”退治!!
第10章 統合医療の現場から―“冷え”を根治するさまざまな医療

西洋医学の知識と東洋医学の智恵がバランスよく紹介されていて、川嶋先生の「両方のいいところを取りいれよう」というスタンスがよく出ています。心のことにもかなりページをさいて強調されています。
うつと癌は両方とも「冷え」が大きくかかわっている、というのは私も納得です。ただ、うつの人はどこかで「気が滞っている」ので、ただ物理的に暖めてもつまっているところで熱が引っかかってしまってかえって熱がかたよって苦しくなってしまうこともあります。やはり、「つまりを抜きながらあたためる」のが基本かと。
「心の冷えとりは、話を聞くこと」という川嶋先生のスタンスは素晴らしいですね。それが心の「つまり取り」兼「あたため」になると思います。

10章は補完代替医療(CAM)の紹介としてもすごく簡潔にまとまっています。この説明を参考にさせていただこうかなーと思ってしまいました。9章のあたため法色々の紹介もすぐできそうなものばかりですよ。
私も自他ともにみとめる冷え症なので、最近は5本指くつしたと湯たんぽいれて寝てますが、確かにからだはだいぶラクです。この本にも指もみや湯たんぽやペットボトルによるあたため法(腿をあたためる)が出ていますが、おすすめは湯たんぽをお腹の上にしばらく置くこと。特に女性は夜寝る前にお腹をあたためることと、お腹を円を描くようにマッサージすることがおすすめです。手のひらで本当に軽く触れるくらいで(むしろ押さないで)オッケーです。寝る前に膝を立ててお腹の緊張をとりながら行うと、ぐっすり眠れます。

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しっかり見よう。

12/5のNHK解体新SHOWで、「フィギュアスケートの選手はなぜ目が回らないのか」というテーマをやっていました。

実験に参加したのは男子スケーターの本田武史さんで、回転いすで50回回っていましたが、そのあとすぐ立ち上がってまっすぐに歩けていました。他の人は10回ほどでももう眼振が出てふらふらになって歩けず。

確か、これトリビアの種で安藤美姫選手がほとんど同じようなことをやってましたが、やっぱり彼女も目が回ることなくまっすぐ歩けていました。
このときは「慣れ」という説明でしたが、今回はもっと詳しい説明が。フィギュアの選手は「一点をしっかり見て」いたのです。

普通からだが回転すると耳の中の三半規管と脳の反射で目が反射的に動きます。からだが止まっても、三半規管はまだすぐなれないので、目はしばらくぶるぶる動き続けます(これを眼振といいます)。このために目が回ると感じます。
ですが、ものすごくがんばって一点を凝視すると、目が止まります。このため、目が回ったと感じにくくなります。

本田さんの場合、カメラの位置を定点に決めて、なんと回転の間目を閉じてまたカメラの位置で目を開けるという高度なワザでした。つまり、回転の速度をからだで計って、カメラの位置以外では目を閉じ、カメラの位置ごとに目を開けてカメラを見るという、スケート選手ならではの名人芸。

私は以前ダンスをやっていたのですが、目が回るのでターン挫折しました(^^;)
この番組をみて、しっかり一点をにらみつけるようにしてもう一度ターンを何回かしてみたところ、目はつりそうでしたが確かに気持ち悪くなる度合いが減りました。
なんだー、ものすごくしっかり見ればよかったんですね。目が筋肉痛になりそうだけど。

でも、これと同じようなことが人生でも起きているんじゃないかと思いました。
めまぐるしく毎日色々なことが起きて、飛ぶように時間がすぎて、まるで回転いすにのせられているような気がすることがあります。目先の出来事で目が回りそうですが、自分の行く方向、行きたい方向をしっかりみていれば、やはり目は回らないのではないかと。
情報の多い昨今では、過ぎ去る時間に流されないように、目がつりそうなほど一点をしっかり、きちんとみる必要があります。でも、しっかり見れば、目が回ることは少なくなります。
記憶力に関しても、まずは対象をしっかり見ることが一歩です。「覚えが悪い」と嘆く人は、自分の内面に意識がいってしまって、しっかり見ていない可能性があります。

来週の目標は、「しっかり見ること」になりそうです。

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批判しない、恨まない、判断しない(2)

批判しない、恨まない、判断しない・・・と決意したのに早くも3日目で怒り再発・・・
3日坊主です。まあ、いつもそうなわけですが。

「私ってどうしてこんなにだめなのかなー。他の人に怒りを覚えたら、それはだいたい自分の中にある問題のせいだってわかってるのに・・・患者さんにもそういつも言ってるのに自分のことはてんでだめ・・・」と反省し、自分の中の問題とは一体何か・・・あーでもないこーでもない、とか考え続けて暗い数日を過ごしたわけですが、はたと気がつきました。
私はつねに自分を批判し続けている。

もしかしてこれが問題なのではないか。反省は必要なれど、ずっとまだだめだ、まだだめだと自分を否定し続けていれば、「ほんとうの自分」にたどりつくはずがありません。欠点も長所も含めて自分を認めない人は、たいてい他人のこともほんとうには認めることができません。

というわけで、自分についても「批判しない、恨まない、判断しない」を適用してみます。むしろ自分についてこそ行ったほうがいいことかもしれません。


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批判しない、恨まない、判断しない

このところ1週ずつテーマを設けて日々を送っています。
最近の3週間はこんな感じで、
1週間め: 「批判しない」
2週間め: 「恨まない」
そして今週は、「判断しない」です。

私はわりと人を批判しがちだったのですが、最近急に人を批判している自分がほんとに恥ずかしくなり、心からもうやめたい!!と思いました。
もう絶対批判はしない!と決め(できるかどうかはさておき、「決めた」のです)、むくむくと批判がわきあがってきたら、「いかんいかん」と気づくようにします。
それから自分の中でどういう思い込みが、その人の批判につながっているのかを考えます。だいたいは、自分の中に劣等感や、変な義務感(「私が世界を救わなければいけない」とか)があることが多いです。気がついたら、それらを手放します(できるかどうかは別として手放すと決めます)。

そのようにして、批判するのをとりあえずやめると、やっぱりラクでしたhappy01

続けられるかどうかはわかりませんが、なるべく意識して続けたいと思います。

先週は恨まないと決めました。

そして今週の課題は「判断しない」。

これは結構むずかしい。というのは、医者は常に判断を求められる仕事で、ほとんど判断が「職業病」です。精神科の病院にいたときは、患者さんのおこづかいの額まで判断を求められ、「そんなの本人と決めてよ~」と思いながら「1日100円」とか「判断」してました。しかしなぜ150円じゃないのか、と聞かれても困りました(^-^; あまり一般的な話ではありませんが。

私たちはときに自分の器を越えて判断して(させられて)いないでしょうか?この人はいい人だか悪い人だとか、これをすべきだとかすべきでないとか。メディアの報道などでも、「年金テロ」とか、そんなに早く判断していいの?と思うことが多々あります。

もちろん判断は生活上必要なことで、だいたいは早いほうがよいのですが、少なくとも善悪に関しては、あまりにも早く、独断で、少ない情報で判断していると、だんだん疲れてきます。なるべく「これはいい」とか「悪い」とか決める前に、何が起きているのか、くもりのない目で見ることができるようになりたいと思います。

というわけで、なるべく軽率な判断をしない練習中ですwinkこれも訓練ですね。

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自分のため=人のため=最強

放送のあとすぐにブログに書こうと思ったのに、ものすごーく時間がたってしまって大変恐縮ですが、やはり書いておきたいなーと思い書くことにします。
11/3のカンブリア宮殿「障害者に働く喜びを」ゲスト・日本理化学工業会長、大山泰弘さんの回。
http://www.tv-tokyo.co.jp/cambria/bn/081103.html

日本理化学工業は川崎市にあるチョークの全国シェア3位の会社です。この会社は障害者雇用の草分け的存在で、こちらの従業員は74人のうち54人が知的障害者の方だそうです。

日本理化学工業が知的障害者を雇用することになったのは昭和34年。養護学校の先生たちが、卒業を控えた15歳の女子生徒2人の就職を頼みにきました。最初は断ったものの、「雇ってもらえないなら、この子達は一生働く経験をせずに施設で一生を終えるんです、実習だけでもさせてやってもらえませんか」と先生方に熱心に頼まれた大山さんは、とりあえず2週間の実習だけなら、ということで受け入れたとのこと。しかし彼女らの一生懸命働く姿に大山さんも従業員も心打たれ、採用したそうです。

以下はインタビュー記事より。

「私は、とりあえず2人雇ってみたものの、うちで働くより施設でゆったりと暮らす方がきっと楽なはずだと考えていたんです。でも、ミスをしてなかなか言うことを聞いてくれないとき、「施設に帰すよ」というと、彼らは泣いて嫌がるんです。それが不思議でたまらなかった。それで、ある法事の席で、お坊さんにその疑問をぶつけてみたら、私の予想に反して「当たり前だ」と言われたんです。そして、人の幸福のうちの「人に褒められること、人の役に立つこと、人に必要とされること」の3つは、仕事では得られるが、施設では得られないんだと言われたんですね
(中略)

 これらの言葉を受けて、ようやく気づいたんです。つまり、人間にとって「生きること」とは、誰かに必要とされて働き、それによって自分の食い扶持を稼いで自立することなんだということに。そして、その場を提供することこそが、企業の存在価値であり社会的使命なんじゃないかということが、自分の中に真理として根付いたんです。それからですね、障害者雇用に積極的になったのは。」(イノベーティブワンのインタビューより)

会社は現在、キットパスという「消せるクレパス」を開発し売りこみ中です。窓ガラスとか冷蔵庫の扉とか滑らかな面なら書いても水ぶきんで簡単に消せるそう。つるつるした場所があればどこでもホワイトボードになりますね!

番組中で大山さんは、「障害者の人たちにいつも私のほうが教えられている。彼らと歩めて、本当に私は良い人生を送らせてもらっている。いつも感謝している」ということをきっぱりと言いきりました。

「お釈迦様が、羅漢という修行最高段階の地位に、知的障害者の「周利槃特(しゅりはんどく)」を選んだとき、「彼の掃除をしている姿を見れば、皆が手を合わせたくなる。あれは彼の無言の説法なんだ」とおっしゃったといいますが、いまとなってみれば、その意味がよくわかります。私は彼らの無言の説法を受けながら、少しずつ成長してきたんです。いま障害者雇用について一角の意見が言えるのも、彼らのお陰ですからね。彼らに生かしてもらった、本当に充実した張り合いのある人生を与えてもらったと心から思っています。」(イノベーティブワンのインタビューより)

こういう言葉は飾ろうと思えばいくらでも善意の衣装を着せることができます。しかし私が感銘を受けた(というよりショックを受けた)のは、大山さんはこういうことを、特別に力説もせず、善意や熱意を強調することもなく、まったく普通のことのようにさらりと行ってのけたことでした。

もとは大山さんも特に障害者に対してあたたかな思いをもっていたわけではなく、また障害者雇用を福祉とかノーマライゼーションの観点から始めたわけでもありません。つまり「普通」の人でした。続けるには苦しいことも山のようにあったと思います。しかし、それらを越えて、「人のため」を「自分のため」と全くイコールにできたということ、それが大山さんの言葉の強さやブレのなさを生んだのではないかと思います。
「人のため」だけでは続けるのにものすごくエネルギーがいるし、意外に自分の価値観を押し付けてしまったり、結構自分のエゴが入ってくるものです。人はまず「自分のため」に動くのが自然です。しかし、「自分のため」だけでも案外ものごとを続けることは難しいものです。「自分のため」から始めて、「自分のため」を「人のため」とまったくイコールにできた人が、余分な力も抜けて最強なんじゃないかと思いました。

余談ですが、大山さんを見ていて「誰かに似ているなあ」と思ったのですが、ヤミ金と戦う宇都宮健児弁護士でした。別にお顔はそんなに似ていないのですが、なんというか、独特の「油が抜けてる」感というか。さらりと強い感じが。
宇都宮健児さんは借金問題専門の弁護士で、以前みたテレビ番組で「借金問題を解決してもそのまま料金を払わずに逃げて、その後また借金して先生なんとかしてくれとなきついてくる人もいまして(笑)」と話していました。司会者が「それでやっていけるんですか?」と聞いたら、「結構なんとかなるもんですよ(笑顔)」ときっぱり言ってらっしゃいました。
「弱い立場の人を守ろう!」というのは口で言うのは実は簡単で、結局そのために本当に行為するか、またどんな方法で行うかで人間性の大きさが見えると思うのですが、このおふたりは「弱者を守ろう!」とかひと言も言わずに、まずそれがどんな方法で可能なのか調査して、見えたら黙って行動してしまうような印象です。
私もこういう不言実行に憧れます。でもブログで書いてる時点でだめじゃん、て気も(^^;)

ぜひ以下のリンクもごらんくださいませ!とても素敵な記事です。
大山泰弘さんインタビュー 知的障害者を活かし、 生かされるチョークメーカー(イノベーティブワンのサイト)
宇都宮健児さんインタビュー 魂の仕事人・絶望の淵から2度這い上がった落ちこぼれ弁護士の逆襲(人材バンクネットのサイト)
人生も仕事もやり直せる 弁護士・宇都宮健児 NHKプロフェッショナル仕事の流儀

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